猫背は、ストレートネック・巻き肩・反り腰などを併発していることも多いため、首や肩周りだけではなく全身の姿勢として考える必要があります。
上位交差症候群
背骨を中心として硬い筋肉と弱い筋肉が交差状なので 「上位交差症候群」と呼ばれています。首と背中の骨格筋のバランスが崩れた状態です。
- 猫背は別名 ”上位交差症候群” ”頭部前方変位” とも言われている
- ”頭部前方変位”の名が表すように、頭が前へ出ている
- 首の前側の筋力が弱いので二重あごになりやすい
- 後頭部痛の原因になりうる
猫背の原因と影響
長時間のデスクワークやスマートフォンの使用など、現代の生活スタイルは猫背を悪化させる要因となっています。デスクワークでは、正しい椅子やモニターの位置が欠如することが多く、姿勢が悪化しやすい環境です。スマートフォンの使用による首の前屈姿勢も、猫背を促進します。
猫背の影響は、身体だけでなく精神的健康にも及びます。身体的な影響としては、背骨のカーブが変化し、背中や首の痛みが引き起こされることがあります。また、内臓の圧迫により消化不良や呼吸困難などが生じる可能性もあります。
猫背の主な原因は首・胸・腕の硬さと胸椎の柔軟性不足
- 首・胸・上肢屈筋群が硬い(巻き肩)
- 首前面が弱い
- 後頭下筋群が硬い
- 胸椎の柔軟性が低い
1.首・胸・上肢屈筋群が硬い(巻き肩)
2.首の前側が弱い
首の前側にある「広頸筋」がうまく働いていないため、たるんでしまい二重あごになりやすいです。
3.後頭下筋群が硬い
後頭下筋群とは「小後頭直筋」「大後頭直筋」「上頭斜筋」「下頭斜筋」の総称です。
後頭骨から上部頚椎に付着し、目の疲れなどで硬くなります。
頭はあまり動かさずに眼球だけ動いているときに強く緊張するので、デスクワーカーに多い症状です。
4.胸椎の柔軟性が低い
胸椎の柔軟性が低いというのは、背中上部を反らす・丸める動きが苦手ということです。
胸椎は安定性よりも可動性が必要な関節です。
胸椎の動きが悪くなってくると下部頚椎に負担がかかり、首のこりとなって現れます。
猫背の改善方法
猫背を改善するためには、正しい姿勢を保つ意識を高めることが重要です。その一つの方法として、ピラティスが効果的です。ピラティスは、筋力トレーニングと柔軟性を組み合わせたエクササイズであり、姿勢改善に焦点を当てています。
ピラティスの基本原則は、中心部を意識することです。中心部(コア)を強化することで、全身のバランスが保たれ、猫背を改善する助けとなります。ピラティスのエクササイズは、ストレッチと筋力トレーニングを組み合わせるため、筋肉のアンバランスを解消し、正しい姿勢をサポートします。
ピラティスエクササイズの具体例
1. スパインストレッチ
スパインストレッチは、背骨を伸ばす効果があり、猫背の改善に役立ちます。以下はその手順です:
- マットに仰向けに寝ます。
- 膝を立て、足裏をマットに付けます。
- 手を胸の前で組み、顎を胸に引き寄せます。
- 丸まった状態から、ゆっくりと背中を床につけていきます。
- 背中を伸ばすイメージで腕を上げ、胸を天井に向けます。
- 息を吸いながら背中を伸ばし、息を吐きながら戻ります。
このエクササイズは、背骨の柔軟性を高め、正しい姿勢をサポートします。
2. ショルダーブリッジ
ショルダーブリッジは背中とヒップを強化する効果があり、正しい姿勢を維持するための核を鍛え、猫背の改善に役立ちます。
- 仰向けに寝ます。膝を立て、足裏をマットに付けます。
- 腕を体の両側に置き、掌を下に向けます。
- 肩甲骨を床に沿ってスムーズに滑らせ、胸を開きます。
- 息を吸いながら、ヒップを上げて背中をマットから持ち上げます。
- 上半身と太ももが一直線になるようにします。
- 息を吐きながら、ゆっくりと元の位置に戻ります。
3. キャット&カウ
キャット&カウは背骨の柔軟性を向上させ、背中の緊張を緩和するためのエクササイズで、背中のストレスを軽減します。
- マットに手と膝をついて四つん這いの姿勢になります。
- 手の位置を肩の真下、膝の位置をヒップの真下に調整します。
- 息を吸いながら、背中を丸め、頭を下げます。このとき、猫の背中を真似るような形状にします。
- 息を吐きながら、背中を反らせ、頭を上げます。お尻を外にひねるようなイメージです。
局所的な改善エクササイズ
- 首の動きを修正
- 巻き肩の原因になる筋肉をフォームローラーでゆるめる+ストレッチ
- 背中のストレッチ